デジタル大辞泉
「引掛ける」の意味・読み・例文・類語
ひき‐か・ける【引(き)掛ける】
[動カ下一][文]ひきか・く[カ下二]
1 掛けてさげる。ひっかける。「枝に着物を―・ける」
2 引いて上にかぶせる。また、無造作に着たり履いたりする。ひっかける。
「下駄を―・けて」〈漱石・吾輩は猫である〉
3 関係づける。引き合いに出す。
「千々の社を―・けて」〈源・総角〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ひき‐か・ける【引掛・引懸】
- 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]ひきか・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 - ① 突き出たものなどに掛けてつり下げる。掛けておく。ひっかける。
- [初出の実例]「花橘を 末枝に 黐(もち)引懸(ひきかけ) 中つ枝に 斑鳩懸け」(出典:万葉集(8C後)一三・三二三九)
- ② 突き出たものに掛けて、布などを傷付けたり破ったりする。ひっかける。
- [初出の実例]「衣の裾を物にひきかけて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
- ③ 引っぱって上にかぶせる。肩にかける。おおう。また、無造作に着たりはいたりする。ひっかける。
- [初出の実例]「織物の細長ひき重ねて奉りて、しろき御ぞひきかけて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開中)
- ④ あれとこれとを関係づける。かかわらせる。引き合いに出す。ひっかける。
- [初出の実例]「ちはやぶる神ひきかけてちかひてしこともゆゆしくあらがふなゆめ〈藤原滋幹〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋三・七八一)
- ⑤ 酒などを一息にぐっと飲む。ひっかける。
- [初出の実例]「女郎さまも、あまりにひきかけひきかけ呑み給ふはいやしきもの也」(出典:随筆・独寝(1724頃)上)
- ⑥ 弓を引きしぼって矢を射かけようとする。
- [初出の実例]「鷲の羽の征矢うち
(つが)ひ、篦(の)かつぎの上まで引(ヒキ)かけて」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)残)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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