弘川村(読み)ひろかわむら

日本歴史地名大系 「弘川村」の解説

弘川村
ひろかわむら

[現在地名]河南町弘川

平石ひらいし村の南西にあり、丘陵地に位置する。村記によると、長禄四年(一四六〇)当地の弘川寺が戦火のために焼失後、奥院の跡地を開いて村落をつくり弘川村と称したといい、弘川千軒の伝えがある(河南町誌)。北部のたけ谷は竹谷千軒の古伝がありしよう滝がある。付近に笙を作る竹があるところから笙竹しようたけの地名もある(河内名所図会)。東寺三密蔵所蔵「悉曇秘要」の建仁三年(一二〇三)一一月一日付奥書に「於河内之国広川之辺書之」とみえる。建永二年(一二〇七)七月八日の僧深慶某寺領注進状(正木直彦氏所蔵文書)には「弘川」が載る(→東山庄

弘川村
ひろかわむら

[現在地名]今津町弘川

石田いしだ川下流右岸にあり、東は新保しんぼ村、南は今津村。天正一五年(一五八七)九月の御蔵入目録(芦浦観音寺文書)に弘川とあり、高九三六石余。文禄四年(一五九五)豊臣秀吉より前田利家室芳春院に御粧田として弘川村のうち九三六石余が与えられた(国初遺文)。寛永石高帳に高一千一〇〇石余とあり、加賀藩領。慶安高辻帳では田方九六〇石余・畑方一四〇石余。加賀藩領の村は早くから定免で、当村は五ツ一分四厘四毛余であったが、享保一六年(一七三一)には一ツ三分四厘一毛余が一作引免となっている(高島郡誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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