日本歴史地名大系 「弟翳郷」の解説 弟翳郷てごう 岡山県:備中国下道郡弟翳郷「和名抄」高山寺本は「弖」の訓を付して「国用手字」と注する。東急本・刊本は「勢」の訓を付す。中世以降に手(て)庄が存在することからすると、高山寺本の訓によるべきであろう。郷名表記にわざわざ無訓の翳(エイ)字を付すのは、翳に貴人の乗物の羽で飾った覆いである衣笠の意味もあることから、「続日本紀」和銅六年(七一三)五月二日条で、国郡郷の地名を好字で表記することが制となったことによると考えられる。「岡山県通史」は郷域について明治二二年(一八八九)成立の手荘(てのしよう)村に含まれる現川上(かわかみ)郡川上町地頭(じとう)・領家(りようけ)・三沢(みさわ)・七地(ななち)の地域とするが、地形的に当然含まれてよい上大竹(かみおおたけ)・下大竹・仁賀(にか)の地を除外する点で問題を残す。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by