弥尼布理神社(読み)みねふりじんじや

日本歴史地名大系 「弥尼布理神社」の解説

弥尼布理神社
みねふりじんじや

[現在地名]河芸町北黒田 神田

北黒田きたくろだ三行みゆきとの境に近く、付近に人家のまったくない山中に位置する。「延喜式」神名帳の「弥尼布理神社」に比定され、旧郷社。宇迦之御魂を主たる祭神としているが、「勢陽雑記」には「三社まします、一社は稲降、一社は春日八幡御同殿にまします、一社はひじりの宮と号す」と述べている。当社所蔵の棟札は、文明九年(一四七七)のものも、元亀三年(一五七二)・天正一六年(一五八八)のものも、いずれも「稲振大明神」と記すのに対し、慶安三年(一六五〇)のものは「稲降大明神」と記し、それ以後「稲降」の文字をあてることが多いようであるが、いずれにせよ室町時代以来「イネフリ」とよばれてきたことが知られ、現在も一般に「イネフリさん」と呼称されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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