強的(読み)ゴウテキ

デジタル大辞泉 「強的」の意味・読み・例文・類語

ごう‐てき〔ガウ‐〕【強的/豪的】

[形動]
程度のはなはだしいさま。
「いまいましい。―に降るわ降るわ」〈滑・膝栗毛・三〉
豪勢なさま。すばらしいさま。
屋台骨は―だが」〈滑・続膝栗毛・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「強的」の意味・読み・例文・類語

ごう‐てきガウ‥【強的・豪的】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動ナリ・タリ )( 「と」を伴って用いることもある ) 程度の甚だしいさま。
    1. [初出の実例]「あのはま松町の女郎の行灯は、ごふてきに奇れいでごせへすね」(出典:洒落本・真女意題(1781))
  3. ( 形動 ) 豪勢なさま。優れたさま。えらそうなさま。また、そういう人や物事。
    1. [初出の実例]「でへぶてめへは、白らばけにごふてきをいふな」(出典:洒落本・通言総籬(1787)二)
  4. 強盗
    1. [初出の実例]「夫れが立入と、泥公や強的に変名し升」(出典:明治の光(1875)〈石井富太郎編〉二)

強的の語誌

( 1 )天明年間頃(一七八一‐八九)から一般化したと思われる。「ごうせい(強勢)」あるいは「ごうぎ(強気)」のゴウに「的」がついて、それらの語と同様、程度の甚だしさを表わす語として用いられるようになったもの。
( 2 )「滑・東海道中膝栗毛」には「強勢」「強気」とならんで頻繁に現われるが、三語とも同じような使われ方で、意味的・文法的・文体的差違はない。

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