日本歴史地名大系 「小県郡」の解説
小県郡
ちいさがたぐん
県東部、千曲川中流域にあり、旧郡内の中央にある
「延喜式」神名及び民部に「小県郡」と記し、「和名抄」に「知比佐加多」と訓じる。郡名は正倉院蔵の麻布紐心の墨書「信濃国小県郡戸主
〔原始〕
諏訪郡境の和田村
旧小県地域の古墳やその遺跡はおよそ三〇〇あり、そのうち上田市域には
〔古代〕
東山道を進んで大和政権の勢力が信濃に入ったと考えられる五―六世紀の国造所在地や、奈良時代の国府は上田市にあったとする説が有力で、国分僧寺・尼寺跡も上田市にある。これらの所在は古代の一時期、小県地方が信濃の政治・文化の中心地であったことを示すが、しかし、「和名抄」では既に「国府在筑摩郡」とあるので、平安時代に入って国府が筑摩郡に移ったことは明らかである。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報