後ろ安し(読み)ウシロヤスシ

デジタル大辞泉 「後ろ安し」の意味・読み・例文・類語

うしろ‐やす・し【後ろ安し】

[形ク]
あとのことの心配がない。心残りがない。
行く末御為もいかに―・からまし」〈狭衣・二〉
気遣いがないさま。隠しだてがない。信頼がおける。
継母を―・き者に思ひてあるほどに」〈今昔・一九・二九〉

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精選版 日本国語大辞典 「後ろ安し」の意味・読み・例文・類語

うしろ‐やす・し【後安】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 安心である。特に、あとのことに心配がない。心残りがない。うしろがるし。うしろめやすし。
    1. [初出の実例]「別れをば悲しき物と聞きしかどうしろやすくもおもほゆる哉〈よみ人しらず〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋一・五七三)
  3. 信頼がおける。たのもしい。かくしへだてのない。ありのままである。
    1. [初出の実例]「民部卿心ひろくうしろやすき人なり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)

後ろ安しの補助注記

「うしろめたし」「うしろめたなし」の対義語として用いられるが、中世以降はあまり用例を見ない。

後ろ安しの派生語

うしろやす‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

後ろ安しの派生語

うしろやす‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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