後向(読み)うしろむき

精選版 日本国語大辞典 「後向」の意味・読み・例文・類語

うしろ‐むき【後向】

〘名〙
向こうを向いてこちらに背中を見せている状態。
※出観集(1170‐75頃)「片思 人しれず磯間に波はよせくれどうしろむきなる岩根松かな」
② 相手にしないこと。そっぽを向いていること。
※うもれ木(1892)〈樋口一葉〉三「入れられぬ世と彌々(いよいよ)うしろ向きに成る心」
③ 発展、進歩などに逆行する消極的、反動的なこと。また、その態度。⇔前向き
※故郷忘じがたく候(1968)〈司馬遼太郎〉「そのときの心情はすでに後ろむきである」

うしろ‐む・く【後向】

〘自カ五(四)〙
後方に向く。こちらに背中を向ける。そむく。うしろす。
源氏(1001‐14頃)玉鬘「はづかしうおぼいてうしろむき給へり」
② そっぽを向く。反発する。
※土井本周易抄(1477)四「同宿一人もってうしろむく様ではなにがよからうぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

カッシーニ(Giovanni Domenico Cassini)

イタリア系フランス人の天文学者。カシニともいう。ニース近郊に生まれ、ジェノバで聖職修業中に、ガリレイの弟子カバリエリに師事して数学・天文学を修得し、1650年25歳でボローニャ大学教授に任ぜられた。惑...

カッシーニ(Giovanni Domenico Cassini)の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android