改訂新版 世界大百科事典 「後岡遺跡」の意味・わかりやすい解説
後岡遺跡 (こうこういせき)
Hoù gāng yí zhǐ
中国,河南省安陽市北西にある仰韶文化,竜山文化と殷代の遺跡。1931年春秋2回梁思永らの調査で3文化の層序が発見され中国先史時代の編年の基礎となった。以後,33年の調査で殷の大墓,また59年には仰韶文化の住居址,竜山文化の白灰面と称する漆喰塗の住居址と窯址,多数の人間を殉葬した殷代の円形土壙墓が発見された。仰韶文化の様相は,いくつかの点で半坡類型に類似するが,簡単な直線文の彩陶など独自のものがあり,地域差を示すものと理解され,河南北部から河北にかけて分布する仰韶文化の一標式となっている。炭素14法による測定年代では半坡類型とほぼ同じくらい古くなる。竜山文化は後岡第二期文化とも呼ばれ,この地域の竜山文化の一類型となっている。
執筆者:横田 禎昭
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