精選版 日本国語大辞典 「後帯」の意味・読み・例文・類語
うしろ‐おび【後帯】
- 〘 名詞 〙
- ① =うしろむすび(後結)①⇔抱え帯。
- ② 娘。また、特に、帯を背後で結んで、素人の娘のような姿をしている遊女。
- [初出の実例]「後帯のうつくしもの、弐人のそばによりそへば」(出典:洒落本・虚実柳巷方言(1794)上)
後帯の語誌
( 1 )着用時に前に作った結び目は後ろにまわしたようだが、帯の幅が狭く結び目が小さい場合には動作に支障はなく、また寛文(一六六一‐七三)の頃までは帯の結び目を作らず、折り込むようにもしたので、その位置はさして問題にならなかった。
( 2 )遊女は前帯であったが、時代が降ると素人風に後ろに結び、彼女等もまた遊里の用語で「後ろ帯」と呼ばれるようになった。