後見草(読み)のちみぐさ

改訂新版 世界大百科事典 「後見草」の意味・わかりやすい解説

後見草 (のちみぐさ)

杉田玄白著。3巻。未刊写本(のち翻刻)。小浜藩用達の石屋亀岡宗山が記した明暦大火の記事を,その孫に見せられた玄白が,鴨長明の《方丈記》にならい,宗山の遺稿上巻とし,中巻以下にその後の天変地異を書き継ぎ,1787年(天明7)松平定信の老中就任に万歳を唱える記事で終わる。鋭利な風刺のうちに滑稽と皮肉をもって世相を論評した書。明暦より天明にかけての,世相の実態を記録した価値を持つ。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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