御奴(読み)ミヤツコ

デジタル大辞泉 「御奴」の意味・読み・例文・類語

み‐やつこ【奴】

《「みやづこ」とも》朝廷に仕える召し使い。
「ただしくきよき心をもちて、朝廷みかどの―と仕へまつらしめむ」〈続紀宣命

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御奴」の意味・読み・例文・類語

み‐やつこ【御奴・造】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語。「やつこ」は「家つ子」。「みやづこ」とも )
  2. 官に使役される奴婢国有の男女の奴隷。また、官奴婢のように国家・天皇に駆使される者。
    1. [初出の実例]「貞(ただ)しく浄き心をもちて、朝廷の御奴(みやつこ)と仕へ奉らしめむ」(出典:続日本紀‐天平神護元年(765)八月一日・宣命)
  3. ( 造 ) 古代、姓(かばね)の一つ。中央または地方にあって伴造(とものみやつこ)としてそれぞれ品部(しなべ・ともべ)を統轄する地位にあった氏族の称した姓か。地位は連(むらじ)より低い。天武朝制定の八色(やくさ)の姓の中にはこの姓はなく、この姓の有力な氏族の多くは連姓を賜わった。
    1. [初出の実例]「唯、新治・筑波・茨城・那賀・久慈・多珂の国と称(い)ひ、各、造(みやつこ)・別(わけ)を遣はして撿へ校(をさ)め令めき」(出典:常陸風土記(717‐724頃)総記)

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