伴造(読み)とものみやつこ

  • ▽伴▽造/▽伴▽部

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

伴緒 (とものお) と同義語と思われる。大化改新前に皇室所有の部 (べ) ,すなわち品部 (ともべ) ,名代子代を率い,その職業によって朝廷奉仕した中央の中下層の豪族。その姓 (かばね) は (みやつこ) , (おびと) , (むらじ) が普通である。しかし,大伴物部両氏のように大連となって朝政を左右する豪族にまで発展したものもある。このような造のうち,有力なものは令制のもとにあって,一般貴族に名を連ね,他は令制の下級官人に編成され,律令諸官司の品部,雑戸を率いて,朝廷に奉仕するようになった。 (→伴部 )

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百科事典マイペディアの解説

大和朝廷に世襲的職掌をもって仕えた諸集団の首長。〈ばんぞう〉とも。連(むらじ)・首(おびと)・造などの(かばね)をもつ。律令体制のもとでは上級伴造は貴族化し,下級伴造は官司の伴部(ともべ)として品部(しなべ)・雑戸(ざっこ)を指揮。
→関連項目安曇江海部氏上大連氏姓制度

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世界大百科事典 第2版の解説

大和朝廷を構成する諸氏族の首長をいう。〈ばんぞう〉ともいう。伴(とも)は〈友〉であると同時に〈〉をも味し,朝廷を代表する大王に奉仕・従属する集団を指すことばで,造はそのかしらの意。日本では,7世紀後半に律令制による国家が成立したが,それに先立つ5~6世紀を中心とした時代は,諸氏族に朝廷の職務を分担させる体制で運営された(氏姓制度)。 伴造は広義にはその氏族を轄する首長すべてを意味した。その場合には上位と下位2段階の伴造がふくまれる。

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大辞林 第三版の解説

ともおよびその支配下の農民集団の統率・管理者。軍事に携わる大伴・物部もののべ、祭祀さいしに携わる中臣なかとみ・忌部いんべ、食膳の事に携わる膳かしわでなど。部民制創設により、本来伴である渡来技術者集団の統率者が、伴造として部を率いて上番する体制が作られ、旧来の伴がその支配下の農民集団とともに部に組織されるようになると、伴造は実質的には部の管理者とされるようになる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大和(やまと)王権のもとで世襲的職掌をもって奉仕する「伴(とも)」集団を管掌する中央の首長をいう。その多くは中・下級の首長で、姓(かばね)は連(むらじ)、造(みやつこ)、首(おびと)などが中心を占める。トモは大王の従者(供(とも))であり、それら一団の人々(友・朋(とも))をも意味した。ミヤツコも本来は大王の身内的な従者(御家(みや)つ子(こ))をさしたが、身分差が生じて、伴造は「伴」集団を統率・管掌する首長クラスをいうようになった。[関 和彦]

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

大化前代,中央の中小豪族
姓 (かばね) は首 (おびと) ・造 (みやつこ) ・連 (むらじ) が多い。大和政権や大王家の部民 (べのたみ) である品部 (ともべ) ・子代・名代の民を世襲的に統率。みずからも部民・田荘 (たどころ) を所有し,なかには大伴氏や物部 (もののべ) 氏のように大豪族に成長したものもある。忌部首 (いんべのおびと) ・錦織部連 (にしごりべのむらじ) などの職業を有する部民を統率。大化の改新以後,有力者は貴族となったが,多くは下級官人である伴部 (とものみやつこ) ( (ともべ) )となり品部 (しなべ) ・雑戸 (ざつこ) を率いた。

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世界大百科事典内の伴造の言及

【国造】より

…古代の地方官豪族。大化前代の国造(氏姓国造)は,5~6世紀にわたって伴造(とものみやつこ)との対応で制度化されたと考えられる。伴造が職能集団の宰領者であるのに対し,国造は(くに)と呼ばれる地域の支配者で,古い形の地方長官ともいえる。…

【軍制】より

…大和政権は周辺の中小豪族を伴(とも)として朝廷の職務を分掌せしめたが,そのなかには門守(かどもり)として朝廷守衛の任にあたる建部(たけるべ)等の諸氏があった。伴の組織が発展すると伴を統轄する伴造(とものみやつこ)が生まれ,大伴(おおとも)氏,物部(もののべ)氏等が武門の伴造として台頭した。大和政権から異民族視された隼人(はやと),蝦夷(えみし)などの武力は,朝廷の機構のなかでそれほど大きな位置を占めるものではなかった。…

【氏姓制度】より


[政治制度としての氏姓制度]
 このような制度は,原始共同体において,氏族や部族が社会の単位となった,いわゆる氏族制度とは異なる。もちろん,氏姓制度の基盤も,血縁集団としての同族にあったが,それが国家の政治制度として編成しなおされ,同族のなかの特定のものが,(おみ),(むらじ),伴造(とものみやつこ),国造(くにのみやつこ),それに百八十部(ももあまりやそのとも)などの地位をあたえられ,それに応ずる氏姓を賜ったところに特色がある。その成立時期は,おそらく5,6世紀をさかのぼらないであろう。…

【伴造】より

…日本では,7世紀後半に律令制による国家が成立したが,それに先立つ5~6世紀を中心とした時代は,諸氏族に朝廷の職務を分担させる体制で運営された(氏姓制度)。 伴造は広義にはその氏族を統轄する首長すべてを意味した。その場合には上位と下位2段階の伴造がふくまれる。…

※「伴造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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