御杖代(読み)ミツエシロ

デジタル大辞泉 「御杖代」の意味・読み・例文・類語

みつえ‐しろ〔みつゑ‐〕【×杖代】

神や天皇の杖代わりとなって奉仕する者。特に、伊勢神宮斎宮さいぐう賀茂神社斎院をいう。
「―と定めてたてまつり給ふ事は」〈祝詞・斎内親王奉入時〉

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精選版 日本国語大辞典 「御杖代」の意味・読み・例文・類語

みつえ‐しろ みつゑ‥【御杖代】

〘名〙 (「しろ」は「その物の代わりとなるもの」の意)
① 神の御杖となって仕える者。伊勢神宮の斎宮、賀茂神社の斎院。みつえ。
皇太神宮儀式帳(804)「倭姫内親王を為御杖代斎奉き」
② 天皇などを補佐する人。
新撰姓氏録(815)左京神別「榎室連〈略〉山猪子連等、仕奉上宮豊聰耳皇太子御杖代

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世界大百科事典(旧版)内の御杖代の言及

【杖】より

…杖に占有権が認められたのは,杖を依代(よりしろ)として神が降臨してくると考えられていたからである。神楽の採物(とりもの)の一つに杖がある(〈神楽歌〉)のも,また垂仁天皇のとき,倭姫(やまとひめ)命を〈御杖(みつえ)〉として天照大神にたてまつった(《日本書紀》)とか,〈御杖代(みつえしろ)〉とした(《皇太神宮儀式帳》)とされるのも,杖にまつわるこの信仰にもとづくものである。稲荷山(いなりやま)古墳出土の鉄剣の銘文にみえる〈杖刀人首〉の〈杖〉もこうした信仰と無関係ではなかった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」