御杖(読み)みつえ

精選版 日本国語大辞典 「御杖」の意味・読み・例文・類語

み‐つえ‥つゑ【御杖】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 )
  2. 杖を尊んでいう語。
    1. [初出の実例]「杖(ミツヱ)八十枚(から)献る」(出典日本書紀(720)持統三年正月(北野本訓))
  3. みつえしろ(御杖代)
    1. [初出の実例]「天皇、倭姫命を以て御杖(みツヱ)として」(出典:日本書紀(720)垂仁二五年三月(北野本訓))

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改訂新版 世界大百科事典 「御杖」の意味・わかりやすい解説

御杖[村] (みつえ)

奈良県の東端宇陀郡の村。人口2102(2010)。宇陀山地東端にあたり,北に室生火山群の古光(こごう)山(952m),南に高見山地があり,周囲を標高1000m級の山に囲まれる。西を除く三方は三重県に接し,名張川本・支流の源流地帯で,北流する神末(こうずえ)川,曾爾(そに)川などの谷沿いに集落が点在する。古くから伊勢参宮の道筋にあたり,近世には宿場として栄えた。村域の大部分が山林で,杉,ヒノキの原材やみがき丸太の生産が盛ん。農業は兼業農家が多いが,ホウレンソウトマトダイコンなどの高原野菜の栽培が行われる。また観光開発も進められている。神末にある御杖神社は式内社に比定される古社。桃俣(もものまた)城,神末城など中世の城跡もある。村域南東端の三峰(みうね)山(1235m)などを含む県境一帯は室生赤目青山国定公園に含まれる。村内北寄りを国道369号線が通じ,北東部で368号線と合する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御杖」の意味・わかりやすい解説

御杖(村)
みつえ

奈良県北東部、宇陀(うだ)郡の村。宇陀山地の東端部、宇陀川上流域を占め、東部と南部は三重県に接する。地名は、東部の神末(こうずえ)に鎮座する式内社御杖神社に由来する。国道368号、かつて伊勢(いせ)神宮奉幣使が通過した伊勢本街道(国道369号)が通じ、中心集落の菅野(すがの)は宿場町として発達した。農林業を主とし、ホウレンソウやトマトなどの高冷地野菜栽培、シイタケ栽培のほか、磨き丸太を産出する。県境一帯は室生(むろう)赤目青山国定公園域。面積79.58平方キロメートル、人口1479(2020)。

[菊地一郎]

『『御杖村史』(1976・御杖村)』


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