御林山(読み)ごりんやま

日本歴史地名大系 「御林山」の解説

御林山
ごりんやま

御栗栖みくるす神社の東方にそびえる標高四〇一・九メートルの山。天正年間(一五七三―九二)豊臣秀吉の所領であったといわれるが、元和九年(一六二三)禁裏新御料となった。松茸・栗をとり御所献納が義務づけられた山で、山廻役が置かれ、毎年秋には台所奉行が仕丁一〇人をつれて符作ふづくり村の空屋に五―七日逗留、松茸を塩漬にした。

山廻役の費用は、享保一四年(一七二九)山城国高八郡村名帳によると切林きりばやし村が村高のうち一〇石、贄田ねた村が同じく二〇石分担していたが、幕末の御林山取究之控(加美家文書)によると、御林山下の村・符作・老中おいなか・切林・糠塚ぬかづか大道寺だいどうじ六ヵ村が給米一石を負担している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の御林山の言及

【村中入会】より

…54年(承応3)の尾張藩の新田開発の方針中でも,地方知行のうちから林野を蔵入地化する方向が示されている。 第2の方策は,林野の全面的蔵入地化のもとで幕藩営林(御林(おはやし),御山,御林山,御直立,御立山,御札山,鹿倉山など)を設定し,これを農用林野から峻別する方向をとる。農用林野から分離した幕藩営林への農民の立入りには〈木一本,首一本〉といわれる過酷な制裁を加え,他方,農用林野には山年貢,秣場年貢を賦課して領主権の掌握下にある農民の林野利用を確認した。…

※「御林山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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