…場所や地域を限らない御林の一種には五木・七木などと称し,御林地籍外の有用樹を伐採禁止木に指定する藩が多く,一方においては窮迫財政の緩和手段として,御林の増設または周辺林の囲いこみにより,御林自体の拡大を図るようになるのが一般的な傾向であった。このような増設・増幅林を含めた御林の中には,囲い山・不入山などと称し,林内の下草(肥・飼料)や枯枝(燃料)を採ることも,木の実を拾うことも許さない山もあったが,これらを除いた大部分の御林は,〈御林下草銭,御林運上・冥加〉名目の軽租を利用者側に負担させて下草類の採収を容認した。そのようにして旧来の用益権の一部は認められたにしても,御林地積がしだいに増大することは,それだけ民用林が圧縮されることであったから,これまでその山で生活資材の家作木や薪炭材・肥飼草などを自由に採取してきた領民たちは,狭くなる一方の共用林野の用益慣行をめぐって激しい入会紛争をくり返すようになり,和解または裁決までに数年ないし数十年を要する争議も少なくなかった。…
…成立当初の〈立花(たてはな)〉の形式と目的は,室内を飾り,それを眺め楽しむということであった。1490年ころになると,花瓶に〈立て〉られる種々の草木のうち,その中心となるものを〈しん〉(心,身,真)と呼び,それに添えるものを〈下草〉と呼んで,それぞれの約則名によって立てられるようになった。それがいわゆる立花(たてはな)様式の誕生になる。…
※「下草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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