復活祭論争(読み)ふっかつさいろんそう(その他表記)paschal controversies

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「復活祭論争」の意味・わかりやすい解説

復活祭論争
ふっかつさいろんそう
paschal controversies

初期キリスト教会における復活祭日取りに関する論争。小アジアではユダヤ教の過越しニサンの月 14日をキリストの死の記念日として祝ったが,ローマでは早くからキリストの復活に重点をおき,ニサンの月 14日の次の日曜日を主張した。教皇ビクトル1世が前者破門を宣言するに及んで争いは表面化したが,エイレナイオスの仲介により教会分裂は避けられた。ニカイア公会議 (325) はユダヤ教との相違を強調し,キリストの復活の祝日という意味づけをとってローマの習慣を一般化させた。暦法による算出の問題はニカイア公会議では決定されず,その後もローマとアレクサンドリアでは異なった日に復活祭が祝われたが,6世紀ディオニシウス・エクシグウスの影響により西方でもアレクサンドリア算法が浸透した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android