エイレナイオス(読み)えいれないおす

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エイレナイオス」の意味・わかりやすい解説

エイレナイオス
Eirēnaios

[生]130頃
[没]200頃.リヨン
聖人,殉教者,反異端的教父。ラテン名イレナエウス Irenaeus使徒ヨハネの弟子ポリュカルポスの教導で聖職につき,のちリヨンの司教となり,多くの改宗者を出す。その著書中『異端駁論』 Adversus haeresesは5巻から成り,グノーシス派と他の異端の詳しい説明を含み,万物の創造者は唯一の神であり,神は必然に従ってではなく自由に,しかも無から創りたもうたとして,その観念の多くをアナクサゴラスエンペドクレス,プラトンらに依拠するグノーシス派を論難し,初期キリスト教会の重要な証言となった。さらに彼は,すべての正しい教会は正しい信仰を使徒とその弟子から継承しているとし,福音書の真理性と聖餐におけるキリストの肉体と血の実在に対する信仰を述べ,ローマ教会の卓越性を主張した。アルメニア語に訳された他の著作では,旧約聖書中の預言によって福音の真理の証明を試みている。祝日6月 28日。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エイレナイオス」の意味・わかりやすい解説

エイレナイオス
えいれないおす

イレナエウス

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android