日本歴史地名大系 「徳融寺」の解説 徳融寺とくゆうじ 奈良県:奈良市奈良町鳴川町徳融寺[現在地名]奈良市鳴川町鳴川(なるかわ)町の南西部に所在。豊成山と号し、融通念仏宗。「奈良坊目拙解」に「南都年代記曰、慶長十六年辛亥鳴川大念仏建立」とある。本尊阿弥陀如来。当寺は藤原豊成邸宅跡と伝え、豊成と娘の中将姫の石塔といわれる二基の宝篋印塔がある。「奈良坊目拙解」に「此二基塔者往年有于井上高坊、延宝五丁巳年移立於当寺毘沙門堂東南矣、而後号豊成山徳融寺也、亦高坊心前法師自筆短冊一牧(枚カ)有端書、即松永弾正此石塔婆欲為乱妨時之発句也、移来于同時為什物矣」とみえ、この石塔はもと奈良市井上(いのうえ)町の高(たか)坊(高林寺)にあり、松永久秀の多聞(たもん)城(現奈良市)築城の際に建材とて持出されようとしたこともあったようである。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by