高林寺(読み)こうりんじ

日本歴史地名大系 「高林寺」の解説

高林寺
こうりんじ

[現在地名]奈良市井上町

井上いのうえ町北西に所在する中将姫ゆかりの尼寺。豊成山高坊高林寺と号し、融通念仏宗本尊阿弥陀如来のほか、藤原豊成像・中将姫像を安置。寺伝によれば宝亀年中(七七〇―七八一)に藤原魚名の娘が中将姫に仕えて尼となり、現奈良市高御門たかみかど町で中将姫の父豊成の廟塔を守って居室を尼寺となしたが、平重衡の南都焼打ちによって焼失し、長く再興されなかった。天文三年(一五三四)に豊成の廟塔のある当地に再興され、法相宗から融通念仏宗に改宗したという。四月一三日が中将姫会式。寺宝に豊成・中将姫父娘対面の図、中将姫手織りの刺繍仏などがある。


高林寺
こうりんじ

[現在地名]下関市大字清末

清末きよすえ西部、字くすのきにある。曹洞宗で海福山と号し、本尊は釈迦如来

寺伝によれば、清末藩主毛利元知が、父秀元を開基、道誉を開山として延宝六年(一六七八)に創建した。初め寺号を智門院といったが、享保四年(一七一九)元知の法名高林院にちなみ改称した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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