心を寄す(読み)こころをよす

精選版 日本国語大辞典 「心を寄す」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 を 寄(よ)

  1. ( 「寄す」は上代では四段、下二段の両種に活用 )
  2. ある方へ気持を片寄らせる。思いをかける。好意を寄せる。味方をする。
    1. [初出の実例]「山川の 清き河内と み心乎(こころヲ) 吉野(よしの)の国の 花散らふ 秋津野辺に 宮柱 太敷きませば」(出典万葉集(8C後)一・三六)
    2. 「人はこなたざまにこころよせて、いとほしげなる気色にあれど」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  3. 専心する。傾倒する。心を砕く。
    1. [初出の実例]「花の色さだかにも見えぬ程なるを、もてあそぶに心をよせて、大御酒(おほみき)まゐり、お遊びなどし給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)

心を寄すの補助注記

の「万葉」例の「吉野」の「吉(よし)」は、「寄し」に掛けて用いたもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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