心所(読み)しんじょ

精選版 日本国語大辞典 「心所」の意味・読み・例文・類語

しん‐じょ【心所】

  1. 〘 名詞 〙 仏語六識など、心の統一的主体である心王に相応し、随伴して起こる種々の精神作用。感覚思念、善不善、煩悩睡眠等について、あるいは四十六(倶舎)、あるいは五十一(法相)等の項が立てられている。
    1. [初出の実例]「此八の王に多くの眷属あり。是を心所となづく」(出典:法相二巻抄(1242か)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の心所の言及

【説一切有部】より

…このように我々は映画のフィルムの各こまを見るように,瞬間ごとに異なった法を経験しているのだと唱え,諸行無常を説明するのである。 心理論としては46の心所(心理現象,これは上述の70ほどの法に含まれる)のおのおのが認識主体としての心と結びつき(相応,チッタサンプラユクタcittasaṃprayukta),心理現象が現れるという心・心所相応説を明示している。また特に心と相伴う関係にあるのではなく,物でも心でもなく,それらの間の関係とか力,また概念などの心不相応行法(チッタビプラユクタ・サンスカーラダルマcittaviprayukta‐saṃskāradharma,これも上の70ほどの法に含まれている)の存在を認めた。…

※「心所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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