デジタル大辞泉
「法相」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ほっ‐そう‥サウ【法相】
- 〘 名詞 〙 仏語。
- ① 一切の存在の現象的な差別のすがた。
- [初出の実例]「一障令レ不レ見二法相一」(出典:勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章)
- ② 具体的に示された教え。
- [初出の実例]「『通命的法相(ホッサウ)』を以て『別命的法相』を侵害して、本化別頭(ほんげべつづ)の法門も修行も、何の所詮の無いものにして仕舞う」(出典:本化摂折論(1902)〈田中智学〉四)
- ③ 「ほっそうしゅう(法相宗)」の略。
- [初出の実例]「詔曰、法相之義、立レ有而破レ空」(出典:類聚国史‐一七九・諸宗・延暦一七年(798)九月壬戌)
ほう‐そうホフサウ【法相】
- 〘 名詞 〙
- ① =ほっそう(法相)①
- [初出の実例]「つねにねかひて、かくのことく法相(ホウサウ)を観す」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)五)
- ② =ほっそう(法相)③
- [初出の実例]「さて多の法門とも唐に以渡て其よりほうさうの大そうの法門于今絶す」(出典:打聞集(1134頃)玄奘三蔵心経事)
ほう‐しょうハフシャウ【法相】
- 〘 名詞 〙
- ① もと司法大臣、現在は法務大臣をさしていう。
- [初出の実例]「榎本農商相、芳川法相、渡辺蔵相、或は馬車又は騎馬にて参着」(出典:風俗画報‐八〇号(1894)大元帥御親征)
- ② ⇒ほっそう(法相)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の法相の言及
【法相宗】より
…唯識宗,慈恩宗などともよぶ。法相とは諸法つまり万象が有する本質の相状のことで,識以外の何物も存在しないと説くのがインドで成立した唯識派つまり瑜伽行派であり,窺基は師の玄奘が訳出した《成唯識論》の注釈たる《成唯識論述記》などを著し,法相を五位百法に分類し分析的に説明した。玄奘と窺基が唐の高宗の厚い信任を得たことから,法相宗は一世を風靡したが,その教義がインド仏教を直輸入した色彩が濃く,教理組織が繁雑をきわめたこともあり,武周朝(690‐704)に法蔵の華厳宗が隆盛になるにしたがい,宗派としてはしだいに衰えてしまった。…
※「法相」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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