朝日日本歴史人物事典 「心田清播」の解説
心田清播
生年:永和1/天授1(1375)
室町前期の臨済宗の僧,五山文学僧。聴雨,春耕,謙斎(室号)とも称した。淡路の人。夢窓派柏庭清祖の法を嗣ぐ。建仁寺に天祥一麟,南禅寺に聖徒明麟に参じ,のちに惟肖得巌に参じて薫陶を受けること大であり,蒲室疏法(四六文作法)の伝授を受けた。嘉吉1(1441)年建仁寺に,文安4(1447)年南禅寺にそれぞれ昇住した。五山文学爛熟期のひとつの傾向である艶詩を多く作り,情溢なる一面をのぞかせる。講説は,惟肖の文,江西竜派の詩,太白真玄の四六とともに四絶と評される。著作に『心田詩藁』『春耕集』『心田播禅師疏』などがある。<参考文献>蔭木英雄『五山詩史の研究』
(飯塚大展)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報