志和村(読み)しわむら

日本歴史地名大系 「志和村」の解説

志和村
しわむら

[現在地名]窪川町志和

志和峰しわみね村の東、おも谷に発する志和川に沿って開けた村。東は海に面する。村内薬師寺の至徳元年(一三八四)の鰐口銘に「幡多郡仁井田村志和之薬師堂」とあったといわれ(古文叢)、また同寺には建武二年(一三三五)建立の棟札もあったと伝えるので(同書)、鎌倉時代末期には集落が成立していたと考えられる。「仁井田郷談」(「南路志」所収)によると古くは仁井田にいだ庄志和郷七村の一。仁井田五人衆の志和氏の本拠地。天正一七年(一五八九)の仁井田之郷地検帳によれば地積一七町二反余、ヤシキ七八筆。ヤシキのうち四八筆が海辺に形成された集落である「浜ヤシキ」で、刀禰一、舟頭一、水主二、番匠三のヤシキもみえる。慶長二年(一五九七)の秦氏政事記(蠧簡集)にも「志和ノ浜 刀禰 五反岡田清介」とあり、中世にかなり大きな漁村集落が成立していたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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