志田郷(読み)しだごう

日本歴史地名大系 「志田郷」の解説

志田郷
しだごう

現志田を遺称地とする中世の郷。延慶元年(一三〇八)一一月の諏訪神社上社旧蔵五重塔鉄露盤銘(長野県諏訪市立博物館寄託)に「大工甲斐国漆太郷住入道」とあり、当地には鎌倉時代に鋳物師が住んでいた。彼らはその後天狗沢てんぐざわ(現敷島町)へと移ったようである。「一蓮寺過去帳」によれば、文亀三年(一五〇三)一一月二二日に供養を受けた道阿弥陀仏に志田道安と注記される。永禄四年(一五六一)の番帳の七五番に「志たの禰き」がみえる。武田氏滅亡後甲斐に入った徳川家康により、天正一〇年(一五八二)八月一六日、長井又五郎吉昌は当地のうち三〇俵を本領であることを理由に安堵され(「徳川家印判状」早稲田大学所蔵文書)、そして同じ所領を同年一二月九日に本領七貫五〇〇文の地として安堵された(「徳川家印判状」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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