神領(読み)シンリョウ

デジタル大辞泉 「神領」の意味・読み・例文・類語

しん‐りょう〔‐リヤウ〕【神領】

《「じんりょう」とも》神社所有地。神社の領地社領

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精選版 日本国語大辞典 「神領」の意味・読み・例文・類語

しん‐りょう‥リャウ【神領】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「じんりょう」とも )
  2. 神社の領地。神事祭典造営などの費用にあてるためのもの。社領。
    1. [初出の実例]「右、五社敷地并神領田畠曠野等流記帳如件」(出典:大鳥大明神文書‐延喜二二年(922)四月五日・和泉国大鳥神社流記帳)
  3. 神の治める土地。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「我御祖高皇産霊は、天地をさへ造りました御功あり。仍て神領の民地をさし上げられよ」(出典:古道大意(1813)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神領」の意味・わかりやすい解説

神領
しんりょう

神社の領地、社領。明治維新による改革以前、全国の神社にその運営の経済的基盤等のため、神地(かんどこ)、神田(じんでん)、神戸(かんべ)、神郡(しんぐん)、御厨(みくりや)、御園(みその)、朱印地、黒印地(こくいんち)などとよばれる地があり、神社がその地を管理し、そこよりの収入を得、ときにその地の行政権司法権ももっていた。『日本書紀』崇神(すじん)天皇の条に、天社・国社の制を定め、神地・神戸をそれにあてたとの記事があるが、それは史実とみられず、この起源とみることもできない。のち大化改新で公地公民制となったが、神社は特別として、神田また神郡、神戸(神社の封戸(ふこ))が置かれ、そこよりの収入、調(ちょう)・庸(よう)・田租が神社の用途にあてられることとなった。しかし、平安中期以降、律令(りつりょう)制が崩れ、荘園(しょうえん)が増加するとともに、それらの神領も変化し、伊勢(いせ)の神宮でも神郡、神田、神戸にかわって、自墾地系、寄進地系の御厨・御園という名の荘園が生じ、それにより経済が支えられた。鎌倉時代には幕府がよく保護して各神領はおよそ安泰であったが、南北朝期の争乱以降、各社神領ともしだいに略奪され、戦国時代にはほとんど崩壊した。それを安土(あづち)桃山時代を経て江戸時代になり、幕府より朱印領、各藩より黒印領を寄進することで復興したが、古代に比べるときわめて微々たるものであった。1871年(明治4)社寺領上知令(あげちれい)により、すべての社寺領を上知させたあと、神社は境内地のみを認められることとなり、ここに神領は消滅したこととなる。

[鎌田純一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神領」の意味・わかりやすい解説

神領
しんりょう

社領ともいう。神社の領有地。神社は,その所領について,管理,維持,租税の徴収などの行政権,司法権をもっていた。

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