日本歴史地名大系 「志那中遺跡」の解説
志那中遺跡
しななかいせき
[現在地名]草津市志那中町
志那中町の集落に重なるように立地する集落遺跡。昭和四六年（一九七一）の分布調査により存在が明らかになり、同五〇年の発掘調査で、弥生時代中期後半から古墳時代前半、平安時代後半から鎌倉時代の二時期にわたる大規模な集落遺構が発見された。弥生時代の遺構には柱穴群（平地式あるいは高床式住居の可能性も指摘される）や井戸跡などがあり、井戸内から弥生時代中期後半の多量の土器類とともに、江州鋤の祖型ともいえる着柄鋤（長さ四七・四センチ、最大幅一九・六センチ、樫製）が出土。古墳時代の遺構には井戸跡・溝跡などがある。井戸跡は厚い板材四枚を縦位置にして方形に組んだ枠をもつ立派なものであった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報