最新 地学事典 「応力逆解析」の解説
おうりょくぎゃくかいせき
応力逆解析
stress inversion
岩石に残された変形構造から,その原因となった応力を逆に推定する方法。利用できる変形構造の種類に応じて,さまざまな手法がある。いずれの場合も,数学的逆問題を構成し,それを解くことにより,当該構造形成時の応力が推定される。多数の露頭規模の断層(小断層)から応力を推定するのが小断層解析である。その逆解析手法は地質図規模の断層にも適用できる。利用するのは断層群から得た方向データである。すなわち,各断層はその面に働く剪断応力の方向に滑るという,ウォレス・ボット(Wallace-Bott)仮説に基づく逆問題を解くことで,当該断層群に働いていた応力が決定される。地震の発震機構の応力逆解析も原理は同様。また,岩脈や鉱脈は,高圧の流体が亀裂に圧入し,通過した痕跡であり,それらの方向データでも応力逆解析ができる。また方解石の機械的双晶の方向データでも応力逆解析ができる。
執筆者:山路 敦・佐藤 活志
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

