家庭医学館 「急性出血性膀胱炎」の解説
きゅうせいしゅっけつせいぼうこうえん【急性出血性膀胱炎 Acute Hemorrhagic Cystitis】
おもに学童期の男児にみられる急性の膀胱の炎症で、尿に血がまじる(血尿(けつにょう))のが、おもな症状です。
成人女性にみられる急性膀胱炎のような、頻尿(ひんにょう)や排尿痛などはありません。
[検査と診断]
問診と尿検査により診断されます。尿に膿(うみ)や細菌がみられることはほとんどなく、アデノウイルスの感染や細菌の毒素が原因でおこるアレルギー反応によって発病すると考えられています。
再発をくり返したり、腎臓(じんぞう)や膀胱など上部の尿路感染がある場合は、尿路の形態異常、膀胱尿管逆流(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅう)(「膀胱尿管逆流症」)、神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)(「神経因性膀胱」)などをともなうことがあり、X線検査などが必要です。
[治療]
ウイルスの感染に対しては抗生物質は効かないので、症状を抑える対症療法を行ないます。後遺症を残さずに、1週間前後で治ります。
尿に細菌が出た場合は、抗生物質が用いられます。
予防としては、日ごろから水分を多めにとり、尿をがまんせず、腹部を冷やさないようにすることが大事です。