家庭医学館 「急性化膿性中耳炎」の解説
きゅうせいかのうせいちゅうじえん【急性化膿性中耳炎 Acute Suppurative Otitis Media】
急性上気道感染症(きゅうせいじょうきどうかんせんしょう)(かぜ)に引き続いて、かぜの原因になっている肺炎球菌(はいえんきゅうきん)、インフルエンザ菌などの細菌が耳管(じかん)を経由して中耳に達し、炎症をおこす状態をいいます。急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)という場合は、ふつう、この病気を指します。
[症状]
耳の痛み、発熱などがおこります。乳幼児では、機嫌の悪いことだけが症状であることが多いので、注意が必要です。かぜをひいたときやひいた後に耳の痛みを訴えたり、機嫌が悪いときは、まず、急性化膿性中耳炎を疑いましょう。
[治療]
耳痛(じつう)が強い場合(乳幼児では機嫌が悪い場合も含めて)は、痛みをとるために鼓膜切開(こまくせっかい)が必要になります。膿(うみ)のまじった耳だれ(膿性(のうせい)の耳漏(じろう))をともなう場合は、抗生物質も使用します。
急性上気道感染症、副鼻腔炎(ふくびくうえん)、アレルギー性鼻炎(せいびえん)などが先行していれば、その治療も必要です。
鼓膜が破れて耳だれが出るようになった場合は、耳だれをきれいに吸引します。
ふつう、約3週間の治療で治ります。
[予防]
急性中耳炎になったら、確実に治るまで治療し(医師がいいと言うまで通院を続ける)、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)(「滲出性中耳炎(中耳カタル)」)にならないようにすることがたいせつです。