急性移植片対宿主病(読み)きゅうせいいしょくへんたいしゅくしゅびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「急性移植片対宿主病」の意味・わかりやすい解説

急性移植片対宿主病
きゅうせいいしょくへんたいしゅくしゅびょう

GVHD移植片対宿主病GVH病)のうち、とくに骨髄移植などで移植後6~30日ころに急性に発症するもの。急性GVHDともいう。

 おもな症状として、発熱のほか皮膚の発疹(ほっしん)および水疱(すいほう)、水様性あるいは血性の下痢、肝機能障害に伴う黄疸(おうだん)などがあげられる。また、これらの症状が及んでいる器官とその重症度に応じて、皮疹のみのⅠ度(軽度)から、皮疹に軽い下痢と黄疸を伴うⅡ度(中等度)、さらに重症化した重度(Ⅲ度)、および危険域(Ⅳ度)までに分類される。重症度が高くなるにつれて、肝機能の低下に伴う意識障害、嘔気(おうき)や嘔吐および食欲不振、さらに持続する下痢が引き起こす栄養不全などを伴って重篤となり、死に至る場合もある。

 治療は、皮膚疾患に対するステロイド剤のほか、症状の程度に応じて免疫抑制剤の使用も検討される。

[編集部 2016年8月19日]

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