恒世親王(読み)つねよしんのう

朝日日本歴史人物事典 「恒世親王」の解説

恒世親王

没年:天長3.5.1(826.6.9)
生年:大同1(806)
平安前期の皇族淳和天皇高志内親王(桓武天皇皇女)の長男弘仁14(823)年4月,嵯峨天皇の譲りを得て父淳和が即位すると,当時侍従(従四位下)であったが皇太子とされた。しかし,これを「固辞」したため正良親王(嵯峨天皇の第1皇子)が立太子した。この措置に対して嵯峨は再三撤回を申し入れたが,淳和は聞き入れなかったという(『日本紀略』)。しかしこれは最初から正良の立太子を予定したうえでの演出とみる意見もある。父に先立ち21歳(22歳とも)で没した。淳和は悲痛のあまり久しく政務に携わらなかったといい,その思いから親王の遺児正道王を格別可愛がったが,この王も淳和が亡くなった翌承和8(841)年6月,20歳の若さで没した。

(瀧浪貞子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「恒世親王」の解説

恒世親王 つねよしんのう

805-826 平安時代前期,淳和(じゅんな)天皇の第1皇子。
延暦(えんりゃく)24年生まれ。母は高志(こし)内親王。弘仁(こうにん)14年父の即位にともない皇太子にたてられたが固辞。同年治部卿(じぶきょう),中務(なかつかさ)卿に任じられ,のち三品(さんぼん)に叙せられた。天長3年5月1日死去。22歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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