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悲しき熱帯

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

悲しき熱帯

文化人類学者のクロード・レビストロース(1908~)が55年に発表した著作。インディオの暮らしの詳述から社会の構造を説き起こし、人類学、とりわけ構造主義の古典とされる。優れた紀行文学としても高く評価を受けた。インディオの調査はサンパウロ大の社会学講師として赴任中の35年から39年まで続いた。ナンビクワラ族は38年に訪ねた。連載での引用は、川田順造氏の訳(中央公論新社刊)による。

(2008-09-29 朝日新聞 夕刊 2総合)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

悲しき熱帯
かなしきねったい
Tristes tropiques

文化人類学者レビ・ストロースの手になるノンフィクション文学の傑作として、フランス語から14か国語に訳され、高い声価を得ている。1955年刊。9部からなり、学問的自己形成を語った部分、1930年代のブラジルの熱帯や奥地の実態についての記録、とりわけカデュベオ、ボロロ、ナンビクワラ、トゥピ・カワイブの民族誌的記述、アジア旅行の印象などが、密度の高い文体でつづられている。記録として優れているだけでなく、それらの全体が、著者の壮大なペシミズムに彩られた独自の文明論をなしている。本書のブラジルでの体験の把握と記述のうちには、著者がその後展開した構造主義の方法の原型が認められる。[川田順造]
『川田順造訳『悲しき熱帯』上下(1977・中央公論社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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