惝怳(読み)ショウキョウ

デジタル大辞泉 「惝怳」の意味・読み・例文・類語

しょう‐きょう〔シヤウキヤウ〕【××怳】

[名](スル)
驚きのあまり、ぼんやりすること。心を奪われること。
がっかりすること。失望すること。
「そんなに憧憬したり―したり」〈漱石吾輩は猫である

しょう‐こう〔シヤウクワウ〕【××怳】

しょうきょう(惝怳)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「惝怳」の意味・読み・例文・類語

しょう‐きょう シャウキャウ【惝怳】

〘名〙
① ぼんやりすること。また、心が平らでないこと。
※東海一漚集(1375頃)一・贈珣白石「吾毎逢人言。所聞転惝怳」 〔楚辞‐遠遊〕
② がっかりすること。失望すること。また、失意のためおもしろくないこと。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六「そんなに憧憬したり惝怳したり」 〔玉篇‐心部〕
③ うっとりすること。あこがれること。目ざすものに達したいと望むこと。しょうこう。
道徳の理想を論ず(1895)〈高山樗牛本論吾人の日夕惝怳する所の真理なるもの将た何等の満足を吾人に与ふべきや」
[補注]「色葉字類抄」に「惝怳 シャウクヰヤウ」とある。

しょう‐こう シャウクヮウ【惝怳】

〘名〙 (「こう」は「怳」の漢音) =しょうきょう(惝怳)
※真面目なれ(1908)〈後藤宙外〉新旧以上の標準「これ人心本来の真声である。人情自然の惝怳(シャウクヮウ)である」

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