惣毫寺跡(読み)そうごうじあと

日本歴史地名大系 「惣毫寺跡」の解説

惣毫寺跡
そうごうじあと

[現在地名]奈良市杏町

佐保さほ川・秋篠あきしの川の合流地北東、小字惣毫寺にあった寺。平城京左京八条一坊一〇坪の地で、鎌倉時代の古瓦を出土し、塔跡と伝える方約三〇尺の田地がある。「招提千歳伝記」によって、唐招提寺中興大悲菩薩の法弟で中宮寺中興の信如比丘尼の開基にかかることが知られる正法しようほう寺と同一寺とみる説もある。正法寺は正豊寺・聖峯寺とも記され(大乗院寺社雑事記)法華ほつけ(現奈良市)末の尼寺であった。「大乗院寺社雑事記」長享元年(一四八七)一二月二五日条に「辰市西寺、正豊寺尼寺巻数・炭一荷進之」とみえ、正豊寺は辰市西寺とも称する尼寺で、大乗院門跡の祈願所として辰市結戒たつのいちけつかい郷在家役を給されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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