意味処理(読み)いみしょり(英語表記)semantic analysis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「意味処理」の意味・わかりやすい解説

意味処理
いみしょり
semantic analysis

自然言語処理における処理ステップの一つ。構文処理の結果に基づき,単語文章の曖昧性を取り除き,意味の確定を行なう操作。意味解析ともいう。自然言語理解システムでは,(1) 形態素処理,(2) 構文処理,(3) 意味処理,(4) 文脈処理などのステップをもつ。人工知能において,人間のことばを理解するために意味処理や文脈処理のステップが重要視されている。しかし,すべての意味や文脈処理を入力していく手法ではシステムが複雑になりすぎる。また,文章を理解するには,各単語のもつ意味がほかの単語との関係などに応じて常に変化していることを理解しなければならない。1980年代はこの問題を解消する有効な手段が見つからなかったが,1990年代に入りインターネット普及が進むと世界中の知識とシステムがつながるようになり,逐次更新される世界中のデータからコンピュータ自身が情報を整理,分類し,効率的に検索するアルゴリズム機械学習)により,即時に知識を更新することが試みられるようになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android