家庭医学館 「慢性咽頭炎」の解説
まんせいいんとうえん【慢性咽頭炎 Chronic Pharyngitis】
急性咽頭炎(「急性咽頭炎(のどかぜ)」)が慢性化したもので、ほこりや刺激性ガスの吸入、過度の喫煙などが誘因と考えられています。
慢性扁桃炎(まんせいへんとうえん)や、後鼻漏(こうびろう)(コラム「後鼻漏とは」)が続く慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)があると、これが刺激となり慢性炎症が生じやすくなります。
また、むし歯、歯槽膿漏(しそうのうろう)のほか、鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)やアレルギー性鼻炎があって鼻閉(びへい)が強く、口呼吸していると、この病気になりやすいようです。
[症状]
急性咽頭炎に比べて自覚症状は軽く、のどの不快感、乾燥感、異物感程度です。診察すると、咽頭後壁のリンパ瀘胞(ろほう)がやや大きく、赤いことが多いようですが、これといった特徴的な所見は見当たりません。
血液検査や咽頭の菌検査を行なっても異常はほとんどみられません。
[治療]
原因となっている病気の治療を先行させ、誘因となっている刺激を避けることが必要です。
のどの炎症には、ルゴール液の塗布やネブライザー療法が有効です。