家庭医学館 「慢性扁桃炎」の解説
まんせいへんとうえん【慢性扁桃炎 Chronic Tonsillitis】
口蓋扁桃(こうがいへんとう)の急性炎症をくり返したり、口蓋扁桃の炎症が続いたりする状態を、慢性扁桃炎といいます。のどの痛み、口蓋扁桃の発赤(ほっせき)や膿栓(のうせん)の付着、38~40℃の発熱などをともなう急性扁桃炎(「急性扁桃炎(アンギーナ/口峡炎)」)を年に何回もくり返す(習慣性扁桃炎(「習慣性扁桃炎(習慣性アンギーナ)」))、口蓋扁桃の症状は軽くても、細菌が扁桃にすみつき、微熱や関節痛が続く場合が相当します。
ときには、腎臓(じんぞう)や心臓、皮膚などの扁桃と離れた部分の炎症の原因となっている場合(病巣扁桃(びょうそうへんとう))もあります。
[治療]
手術で口蓋扁桃を摘出(てきしゅつ)するのが原則ですが、手術を決断する明確な基準は定まっていません。
子どもは、ある程度急性扁桃炎をくり返すのがふつうで、成長にともない自然に炎症をくり返さなくなるので、個々の症状の重症度や日常生活での苦痛度、年齢などを総合的に判断して、手術を決定することになります。
まんせいへんとうえん【慢性扁桃炎 Chronic Tonsillitis】
扁桃(口蓋扁桃(こうがいへんとう))に軽度の炎症が持続する状態で、急性扁桃炎(「急性扁桃炎」)が完全に治りきらずに、のどの痛みや異物感、乾燥感、微熱感といった軽い症状が続くことが多いものです。
診察をすると、扁桃や前口蓋弓(ぜんこうがいきゅう)に発赤(ほっせき)、陰窩(いんか)(扁桃の表面にある凹凸のへこんだ部分)に膿栓(のうせん)がみられます。
[治療]
陰窩洗浄、膿栓吸引、薬物塗布、うがいなどが中心で、症状や所見に合わせて、少量の抗生物質、消炎剤などの内服も行ないます。
症状が強い場合は、扁桃を摘出することもあります。
日常生活の注意としては、飲酒や喫煙で悪化することが多いので、避けます。うがいは頻繁(ひんぱん)に行なうべきです。