デジタル大辞泉 「慰む」の意味・読み・例文・類語 なぐさ・む【慰む】 [動マ五(四)]1 そのことで、一時気持ちが晴れ晴れする。気がまぎれる。なごむ。「心―・む話」2㋐もてあそんで楽しむ。慰み者にする。「さんざ―・んで捨てる」㋑気をまぎらす。心を楽しませる。「人に本意なく思はせて我が心を―・まん事、徳に背けり」〈徒然・一三〇〉㋒からかって楽しむ。おもちゃにする。「―・みかけさっせえたに違ひはあらまい」〈滑・膝栗毛・四〉[動マ下二]「なぐさめる」の文語形。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「慰む」の意味・読み・例文・類語 なぐさ・む【慰】 [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙① 心がなごやかに静まる。心が晴れる。気がまぎれる。[初出の実例]「相見ては恋名草六(ナぐさム)と人はいへど見て後にそも恋ひまさりける」(出典:万葉集(8C後)一一・二五六七)② 楽しんであそぶ。[初出の実例]「此間は何方へもゆさんにまいらぬほどに、今日は罷出てなぐさまばやと存る」(出典:虎明本狂言・萩大名(室町末‐近世初))[ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙① 心を楽しませる。心を晴らす。気をまぎらせる。[初出の実例]「安(いつくん)ぞ空爾(むな)しとして答慰(ナクサム)こと無けむ」(出典:日本書紀(720)継体八年正月(寛文版訓))② 他人の心をもてあそぶ。からかって楽しむ。おもちゃにする。[初出の実例]「病み上り日本の人になぐさまれ」(出典:雑俳・柳多留‐初(1765))「たんと買うつらをして、なぐさんでやらう」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)四)③ 女をもてあそぶ。なぐさみものにする。犯して楽しむ。[初出の実例]「此としよりをなぐさんで、今にげることはござらぬ」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)三)[ 3 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ⇒なぐさめる(慰) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例