懸念・繋念・係念・掛念(読み)けねん

精選版 日本国語大辞典 「懸念・繋念・係念・掛念」の意味・読み・例文・類語

け‐ねん【懸念・繋念・係念・掛念】

〘名〙
仏語。一つのことにだけ心を集中させて、他のことを考えないこと。一つのことに心をかけること。
色葉字類抄(1177‐81)「係念 ケネム」 〔観無量寿経
② 仏語。あることにとらわれて執着すること。執念
※梵舜本沙石集(1283)三「無心無事なるは、真身のあらはるる姿を、繋念の情生ずるは、本心を忘るる時也」 〔諸法集要経‐二〕
③ 気をまわして考えること。推察すること。
歌舞伎男伊達初買曾我(1753)一「拙者懸念(ケネン)には、経若君を鎌倉近処には隠し置きますまい」
④ (形動) 気にかかって不安に思うこと。また、そのさま。気がかり。心配。〔日葡辞書(1603‐04)〕
読本近世説美少年録(1829‐32)二「俺(わが)うへには眷念(ケネン)せで、とくとく帰路に赴き給へ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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