授業科目を受講した学生に対して科目終了時に行われる。4段階評価と5段階評価のどちらかを採る大学が多い。科目や履修方式によっては合格か不合格かを判定するだけの場合もある。成績評価は通常,授業科目を担当する教員の自律的判断に従って行われる。しかし,極端に寛容だったり,逆に厳格過ぎたりする場合があり,そのため科目や担当教員によって成績分布が異なり,学生間で公平性について不満が抱かれたり,学生の履修行動に影響が出たりすることが成績評価に絡む問題としてしばしば指摘される。2000年頃から,政策上,厳格な成績評価による教育の質保証の必要性が強調されるようになり,科目ごとの成績分布を学内で公開したり,相対評価のガイドラインを設けたりして,科目間の成績分布の統制を図ろうとする大学が増えている。GPA(Grade Point Average)を提示して学生個々人の成績の全体状況を把握しやすくし,学生指導や勉学意欲の向上に活かそうとする大学が増えている。これはアメリカ合衆国の制度に倣って導入されたため,GPA導入と同時に米国式の5段階評価に移行した大学が多い。
著者: 福留東土
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
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