我から(読み)ワレカラ

デジタル大辞泉 「我から」の意味・読み・例文・類語

われ‐から【我から】

[副]
自分から。また、自分自身原因で。和歌では多く「破殻われから」と掛け詞で用いられた。「我から進んで話す」
海人の刈る藻に住む虫の―とをこそ泣かめ世をば恨みじ」〈古今・恋五〉
われながら。
「―あはれも押さへがたき御袖の上なり」〈延慶本平家・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「我から」の意味・読み・例文・類語

われ‐から【我から】

  1. 〘 副詞 〙
  2. ( 「と」を伴って用いることもある ) 他のだれのせいでもなく、自分の心・行為が原因で。われとわが身で。自分から。「割殻(われから)」と掛け詞で用いることもある。
    1. [初出の実例]「恋ひわびぬ海人(あま)の刈る藻に宿るてふ我から身をもくだきつる哉」(出典伊勢物語(10C前)五七)
    2. 「われからいゑのやぶれにならでかなはざるやうにするにより」(出典:寸鉄録(1606))
  3. われながら。
    1. [初出の実例]「山颪にたぐふ物の音、例よりも澄のぼりて、我から哀れも押へかたき御袖の上也」(出典:延慶本平家(1309‐10)二中)

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