戦争記録画(日本人の)(読み)せんそうきろくが/にほんじんのせんそうきろくが

知恵蔵「戦争記録画(日本人の)」の解説

戦争記録画(日本人の)

一般には、従軍画家などが戦地へ出かけるなどして戦闘風景などを描いた絵画を指す。特に日本では、日中戦争、太平洋戦争期の1937年から45年にかけて、戦意高揚と戦争の記録を残す目的で描かれた絵画群を指す。藤田嗣治宮本三郎小磯良平川端龍子、石井柏亭らが従軍するなどして描いたが、それらは聖戦美術展や大東亜戦争美術展などで展示され、国民の戦意高揚に利用された。戦後、その中の一部が日本に進駐した連合国軍総司令部(GHQ)によって回収され、米国に運ばれた。70年、米国から153点(78作家)が、無期限貸与という形で東京国立近代美術館に返還された。戦場となったアジア地域の感情に配慮し、少しずつ公開が進んでいるが、作品そのものの美術史的な評価など、総合的な研究はまだ遅れている。また戦後、美術界の戦争責任を問う声が上がるなかで、画壇のリーダーだった藤田が日本を離れ、パリへ移住した経緯などの研究が、近年始まっている。

(山盛英司 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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