戸前(読み)トマエ

デジタル大辞泉 「戸前」の意味・読み・例文・類語

と‐まえ〔‐まへ〕【戸前】

[名]土蔵入り口の戸のある所。また、その戸。
「―の錠もはずしてある」〈藤村夜明け前
[接尾]助数詞。土蔵の数を数えるのに用いる。「蔵が十戸前ある」

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精選版 日本国語大辞典 「戸前」の意味・読み・例文・類語

と‐まえ‥まへ【戸前】

  1. [ 1 ] 蔵の入り口の戸のあるところ。また、その戸。
    1. [初出の実例]「厚壁にして戸(ト)まへ幾重か念を入られし」(出典浮世草子・色里三所世帯(1688)中)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 土蔵を数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「まだ奥の蔵の三十とまへが手がつかぬ」(出典:黄表紙・莫切自根金生木(1785)下)

と‐さき【戸前】

  1. 〘 名詞 〙入口戸口
    1. [初出の実例]「かすかなる谷の戸さきも鶯の今朝のはつ音に氷とくとは」(出典:桜井基佐集(1509頃)春)

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