「5人(にん)」、a cup of coffee(1杯のコーヒー)のように、数詞に伴って事物の数量表現に用いられ、また「1回」、three times(3回)のように数詞についてその動作の度量を表すことば。日本語の「助数詞」という言い方は、auxiliary numeralの訳として成立したようであるが、多くの言語における類別詞classifierに相当するものである。ただし、「3人の学生」「1本の木」の「人(にん)」や「本(ぽん)」を、「学生」や「木」の類を表しているというのは、きわめて一面的な見方であり、その点では日本語の助数詞という言い方が正確である。中国語では、数量のうち量のほうを表すとして「量詞」とよぶ言い方が普通となった。ただし、アジア大陸で話されている多くの、いわゆる孤立語では、名詞の形態変化がほとんどないので、それを補うための、名詞の標識のようになっていることが多い。
[橋本萬太郎]
『橋本萬太郎著『言語類型地理論』(1978・弘文堂)』▽『Joseph H. GreebergNumeral Classifiers and Substantival Number――Problems in the Genesis of a Linguistic Type;Working Papers on Language Universals, No.9 (1972)』
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