戸根村(読み)とねむら

日本歴史地名大系 「戸根村」の解説

戸根村
とねむら

[現在地名]琴海町戸根郷とねごう戸根原郷とねはらごう

長浦ながうら村の南に位置し、東部は内海(大村湾)に臨む。東に張出した小半島により南北に入江が形成され、南の村松むらまつ村境を戸根川が流れる。天正一九年(一五九一)頃、大村を立退いたイエズス会士アフォンソ・デ・ルセナは大村殿の姉(マリナ)の領知である戸根に移って七、八ヵ年滞在したが、その間、戸根領や大村地区のキリシタンを訪ねたり、また主要な祝祭日にはキリシタンの訪問を受け、告解と聖体拝領に来る人々が多いのでよき時代の大村教会にいるように思われるほどであったという(アフォンソ・デ・ルセナの回想録)。一六一三年度耶蘇会年報によれば、戸根レジデンシア(布教所)ではマリナが迎えたパードレによって四一名が洗礼を受けている。このレジデンシアは当地の見上の不動みあげのふどう山にある古寺屋敷とされている。戸根のマリナと伝承されるこの女は大村城主大村喜前(大村純忠の子)の姉で、戸根に知行をもつ朝長純盛に嫁ぐが、早くに未亡人になり、パードレを保護して布教を助けたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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