手不付(読み)てつかず

精選版 日本国語大辞典 「手不付」の意味・読み・例文・類語

て‐つかず【手不付】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. まだ使わないこと。手をつけないで、もとのままであること。また、ありのままで率直なこと。また、そのさまやそのもの。
    1. [初出の実例]「勝山を家へ預からう。金ができたらいつ何時でも、駕籠を持って迎ひに来なせえ。それが手附(テツ)かずの話だ」(出典歌舞伎蔦紅葉宇都谷峠(文彌殺し)(1856)序幕)
    2. 「誂への麦酒が、未だ手着かずに其儘に成ってゐる」(出典:其面影(1906)〈二葉亭四迷〉四三)
  3. 手を使わないこと。よけいな労力を用いないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「あの島田くづしの形などは役者の鬘同然さ。頸(つむり)へ乗せさへすれば手つかずに髷が出来る」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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