日本大百科全書(ニッポニカ) 「手書き入力」の意味・わかりやすい解説
手書き入力
てがきにゅうりょく
パソコンやタブレット型端末、スマートフォン、PDAなどでテキスト文字をデータとして入力するための方法の一つ。画面や入力用パッド上の領域に指やスタイラスペン(入力用の専用ペン)で直接書かれた文字を、システムが認識してテキストデータに変換する。
手書き入力システムの歴史は1980年代に始まる。1990年代には、IBM社やマイクロソフト社などがパソコン用に開発し、その後、手書き入力機能の利用はパソコンからより小型の携帯端末へと移った。アップル社のニュートンNewton、パーム社Palmの製品(社名と同じくパーム)などが発売され、後者はPDAとして一定の市場を得た。日本では1993年(平成5)に登場したシャープのPDA「ザウルスシリーズ」が漢字、ひらがなを含む日本語の手書き入力に対応した。手書き入力はその後、マイクロソフトのPDAであるWindows(ウィンドウズ) CEおよびWindows Mobile搭載端末やWindows XP Tablet PC Editionなどにも搭載されてきた。
手書き入力は、キーボード操作に慣れない高齢者や子供用の入力補助手段として、また、クリエイティブな発想の表現手段として利用される。スマートフォンやタブレット型端末の性能向上とディスプレイの大画面化、アプリケーションの識字精度の向上により、手書き入力をより簡単に行える環境が整ってきている。
[編集部]